あるブランドについてどう思っているかにより、人は「推奨者」「無関心者」「刺客」の3つに分類されるそうです。

 

「推奨者」は、そのブランドについて良い体験を多く重ねた人。
「推奨者」は、そのブランドについて他の人へ進んで推奨を行い、コストがかかろうとも進んでそのブランドを選ぶ。満足度は非常に高い。
「推奨者」は、そのブランドから良い体験を受けると、幸せを強く感じる。

「無関心者」は、そのブランドについて、特段良い体験も悪い体験も持たない人。
「無関心者」は、そのブランドについて特別興味もないため、コストが低い方へ進んで乗り換えを行う。満足度はそれなり。
「無関心者」は、そのブランドから良い体験を受けても悪い体験を受けても、それほど印象に残らない。

「刺客」は、そのブランドについて悪い体験を多く重ねた人。
「刺客」は、そのブランドについて他の人へ進んで非難を行い、その量は推奨者の5割増しである。コストがかかろうとも進んで他のブランドを選ぶ。満足度は非常に低い。
「刺客」は、そのブランドから悪い体験を受けると、非常に不幸に感じる。

というのが、顧客満足度調査業界の世界最大手、J.D.Powerのまとめた「顧客満足度」と代表的な顧客行動です。

グラフにするとこんな感じですね。てゆか抜粋ですけど。

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また、個人的な感覚として、人/物/サービスを非難するという行為にはある種の吸引力があるように思います。
言い換えれば、その行為が快感か不快かはさておき、その行為をするということを一度してしまうとやめられない、というか。
一方で、所得の少ない人ほど、お金を使うという行動そのものに幸せを感じる、という説もありますね。所得は関係ない気もしますが。
もちろん、所得の少ない人ほど、可処分所得、つまり無駄遣いできる金額に限りがあるわけで。

 

さて、どうすれば幸せに近付けるのでしょうか。
という、ブランドについての顧客満足度調査の話なんですけど。
この話の面白いところは、色々な形に拡張して考えることができそうだという事なんですよね。
例えば、男性の女性選びについて適用するという、やや乱暴なことをしてみると。

「ある女性について良い体験を多く重ねると、満足度は非常に高く、周囲にのろけて回り、高価なプレゼントもあげちゃうし、とっても幸せだからもちろん浮気しませんよ」なるほど!
「ある女性について悪い体験を多く重ねると、満足度は非常に低く、周囲に愚痴って周り、高い金を払って他の女に」浮気しても高くつくだけで満足度は低いとも読めますね。なるほど!
高いお金を払う対象が、次のターゲットになる女性なのか、ネオン街の話なのかは、今回は考えないことにしておきます。
「ある女性について特段体験を持たないと」これは、モテない人と読めばいいですかね。
「モテない男性は女性にはお金をかけず、他の趣味に興味を持つ。いい女性に出会ってお金をたくさんかけていい体験を一杯すれば幸せになれるのに!」という読み方ができますね。なるほど!
無理矢理拡張した割りには、真っ当な結論に至ったような気が。
一夫多妻制の話については、あれはイスラムの教えで、男女比が著しく女性過多の社会において、裕福で複数の女性を金銭的にも精神的にも満たしてあげられるのであれば複数の妻を迎えた方が幸せに…これ長くなるから今回はやめましょうね?

では、違うお題で考えてみます。「人間関係と幸せについて」
最初の話に戻りますが、「推奨者」の領域に入るほどに絆を深めてこそ感じられる幸福体験というものもあるように思います。
そもそもの相手のポテンシャル、相性などを踏まえて、自分に相応しい人と知り合うことも重要だが、絆を深めることもまた必要で、人間関係を広げることももちろん重要であるわけで。
人間関係において、見ず知らずの人から受けた親切より、「推奨者」の関係にある、知り合い・親友・パートナーから受けた親切の方が印象に残り、幸せになるとは考えられないだろうかと。
幸せに生きて行くには、より強い感動を覚えられる人間関係を築くということが、その場限りの広く浅い人間関係を築くよりも重要だ、という考え方があってもよいのではないかと。
人間関係を広げるのは大事。ポテンシャルの高い、相性のいい相手を見つけて懇意にするのも大事。一度見つけた大切な相手を離さないことも大事。
一見ポテンシャルの高そうな、相性の良さそうな相手を見つけたとしても、全ての人に改めて懇意にしていけるほど人生は長くない、という考えもあるように思います。
最終的にゴールになるのは、素敵な人と、素敵な体験を重ねることではなく、「推奨者」の領域に早く長く入り、幸福体験を長く続けることのように思います。 

 

ざっくり言ってしまえば「良さそうな相手を見つけたら早く捕まえて、長く一緒に居て、浮気をしないのが、幸せなのでは?というデータがありますよ」という話ですね。男女関係に限らず、何事も。

 

ま、あまり長いこと「推奨者」の領域に居ると、お金がいくらあっても足りませんけどね!きっと!